防災情報サイト『家庭の防災』を見ていただきありがとうございます。
以前、赤ちゃんについての最低限必要な防災グッズと選び方をお伝えいしました。
今回の記事では、もう少し成長した「幼児向け」の最低限必要な防災グッズについてお伝えします。
簡潔にお答えします。
・防災頭巾と幼児用のリュックは必要ありません
では、どのように頭を守るのか、防災グッズを準備するのか気になるかと思います。
その疑問にお答えするとともに、幼児向けにそろえておくべき最低限必要な防災グッズをお伝えしていきます。
最低限必要な防災グッズだけを知りたい方は、目次から移動していただいても大丈夫です。
正しく防災グッズを準備して、災害に備えることで安心した生活を送りましょう。
目次
幼児向け防災グッズに防災頭巾、リュックがいらない理由
幼児用の防災頭巾とリュックがいらない、その理由についてお伝えいたします
防災頭巾がいらない理由
防災頭巾がいらない理由は下の通りです。
・ヘルメットほどの衝撃耐性がない
・コンパクトで持ち運びやすいヘルメットがある
防災頭巾のルーツは、太平洋戦争末期に用いられた防空頭巾です。
これを原型として、災害時に頭部を保護するため作られました。
現在でもその認知度は高く、小・中・高校などでは災害防具の1つとして準備している学校があります。
軽量で、たたんでコンパクトにできるなど持ち運びやすく、座布団として利用するなど身近な場所でも使用できるメリットがあります。
また、水を含ませることで防炎効果もあります。
しかし、災害の時に固いものや重いものが衝突した際にはヘルメットほどの防御力はありません。
災害時に「大切な子供の頭を、安全に守ること」を考えれば、ヘルメットを用意するべきです。
以前は、ヘルメットは大きく場所を取り、持ち運びづらいなどのデメリットがありました。
しかし、最近では折りたたみができるヘルメットもあり、子供サイズのものもあります。
国会議事堂の議員席にも昔のなごりで防災頭巾がありましたが、2017年には折り畳み式のヘルメットへと変更されています。
これから防災グッズをそろえる方は、折りたたみ式の防災ヘルメットは用意することをおすすめします。
リュックがいらない理由
2~6歳の子供は、自分のカバンを持って、それにおもちゃを入れて運ぶのが好きな子も多くなってきます。
そのため、防災グッズを入れる子供用のリュックを準備して荷物を入れる人たちもいます。
しかし、震災時には災害に直面した恐怖や移動の疲れなど、子供たちも不安を感じ、ストレスをためてしまう子も多いです。
2~6歳程度のお子様の場合、子供用の防災グッズは大人用の防災セット(リュック)の中に入れて、避難するようにしましょう。
どうしてもお子様がカバンを持ちたいというのであれば、少量のおもちゃだけを入れて重くないようにしてあげましょう。
幼児向け防災グッズリスト。最低限必要なものと失敗しない選び方
幼児向けの最低限必要な防災グッズを「防災ポーチ」「防災セット」「備蓄品」に分けて一覧に示します。
防災ポーチ | 防災セット | 備蓄品 | |
---|---|---|---|
母子手帳、保険証 | 〇 | ||
保存水 | 水筒 | 〇 500mL×2本 | 〇 500mL×6~15本 |
非常食 | 〇 パンやお菓子 | 〇 3食分(1日分) | 〇 3~7日分 |
歯磨きシート | 〇 1パック | 〇 1パック | 〇 2パック |
簡易トイレ | 〇 5回分(1日分) | 〇 3~7日分 | |
ウェットティッシュ | 〇 1パック | 〇 1パック | 〇 2パック |
ハンドタオル | 〇 1枚 | 〇 3枚 | 〇 約10枚 |
着替え | 〇 1着 | 〇 3着 | 〇 9着~ |
マスク | 〇 1枚 | 〇 3枚 | 〇 1パック(20~30枚) |
ホイッスル | 〇 1個 | ||
ヘルメット | 〇 1個 | ||
軍手 | 〇 1組 | 〇 3組 | |
おもちゃ、絵本 | 〇 |
・外出のとき常に持ち歩く防災グッズ
・災害直後から使用
防災セット(1次持ち出し品)
・避難時に持ち出す防災グッズ
・避難時や災害発生後1日間のための備え
備蓄品(2次持ち出し品)
・家に置いておくもの。自宅避難時や避難所への持ち出し
・災害発生から行政支援が開始されるまでの3~7日間のための備え
それでは、各項目について解説していきます。
子供の健康保険証
病院に行く時だけ持ち出すママがいますが、子供の健康保険証は常に持ち歩くようにしましょう。
遠出先で被災してしまい病院を受診した場合、保険証がないと全額負担になります。
過払いとなった7割の払い戻しをうけるためには、もう一度その病院まで行かなければなりません。
保存水
・長期保存できるもの(5年以上)
軟水を選ぶ
硬度120mg/L未満の軟水を選びましょう。
ミネラルが豊富な硬水は、軟水に比べ腎臓や胃腸に負担がかかり、体調を崩しやすくなってしまいます。
震災時は通常と同じように病院で診察をしてもらえるとは限りません。
なるべく病院にはかからないように気を付けたいですね。
長期保存できるものを選ぶ
コンビニなどにある軟水は賞味期限が1年程度のため、日常持ち運ぶ携帯用には手軽で向いています。
しかし、持ち出し用と備蓄用としての保存には向いていません。
持ち出し用と備蓄用としては5年以上もつ軟水を準備して保管しておきましょう。
非常食
・食物アレルギー対応のもの
・アレルギー物質不使用のもの
被災時には、避難所などで食糧の配布がありますが、食べ物アレルギー対応の食品を期待するのは難しいです。
また、被災時に発症しないとも限りません。
もしアレルギーによるアナフィラキシーショックになり、病院が行かなければならくなっても、平時の対応をしてもらえません。
食物アレルギー対応のもの、アレルギー物質不使用のものを選ぶようにしましょう。
尾西食品は災害対策食料として非常食、長期保存食を製造している会社で、アレルギー対応製品へも力を入れています。
専門の非常食を用意することで非常時にも安心して食べることができます。
また、避難所でおやつがあると、子供たちがおとなしくしてくれて、お腹もみたされるので用意しておきましょう。
非常用のビスコは5年間保存ができ、子供も大人も美味しく食べれるのでおすすめです。
歯磨きシート
震災の時には水が流れないことが多く、歯磨きを忘れ、口の中は不衛生になりがちです。
乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすい傾向にあるため、歯磨きの習慣は震災時でも忘れないようにしましょう。
震災時は衛生的で使い捨て出来る、歯磨きシートが便利です。
強くこすらず、やさしく拭くようにしましょう。
オムツ
2才になりたてでは、まだおむつを使っているお子さまが多いです。
トイレでおしっこ、うんちを出来るようになるまではオムツを準備しておきましょう。
簡易トイレ
3歳頃になるとオムツを卒業して便座でトイレをできるようになる子供が増えてきます。
しかし、災害時にはトイレの水が流れず、仮設トイレを利用することになります。
災害時に困ったことの調査でも第1位がトイレであり、トイレの数が足りない、清潔感が無いことを理由にあげています。
NEO Marketing調べ https://www.neo-m.jp/investigation/2465/
数日間、数の少ない仮設トイレの行列に並ぶことや、衛生面が保たれていないトイレを他人と共有することは、子供にとってもストレスになります。
ストレスがたまると、トイレに行くのが嫌いになり、トイレを我慢して、体調を崩す子も出てきます。
そのため、簡易トイレを準備しておきましょう。
簡易トイレがあれば仮設トイレでなくても、おうちのトイレやバケツ、洗面器でも利用することができます。
使い方は簡単で、汚物袋をトイレにかぶせて、排泄したあとに凝固剤をかけて、汚物袋をしばり、防臭袋に入れるだけです。
また、防臭袋はBOSのものが防臭効果がとても高く、匂いが漏れ出す心配もありません。
また、簡易トイレを使用する際に、子供のおしりがトイレの便座やバケツ、洗面器より大きくて座れない場合があります。
その時のために、折り畳み式の補助便座を用意しておけばとても便利です。
ウェットティッシュ、ハンドタオル
幼児期は、いろんなものを触ったり、たくさん汗をかいたりします。
口回りや手足、体をふくために用意しておきましょう。
着替え
幼児期は汗をかきやすく、被災時は水不足で洗濯も自由にできないことが多いです。
防災ポーチと防災セットには着替えを入れておくようにしましょう。
マスク、アルコール消毒剤
・子供サイズのマスク(できるかたは手作りでもOK)
【アルコール消毒剤】
・濃度が70%以上のアルコールジェル
・100ml程度のコンパクトなアルコールジェル
被災時は不衛生になりがちであることと、避難所では多くの人と一時をすごすことになり感染のリスクもあります。
最近ではコロナウイルスなどにも注意しなければならないため、マスクの着用とアルコール消毒は行えるようにしましょう。
ホイッスル
・少量の息で吹ける災害用のもの
・2種類の音がなるもの
実際に被災した時に救助を求めたくても動けない、大きな声が出せないとい場合があります。
そのようなときにホイッスルが救助の手助けとなります。
子供には必要ないと思う方もいるかもしれませんが、親が常に無事とは限りません。
災害の恐怖でうまく声が出せなくなった子供でも、生き延びるためには救助を求めなければなりません。
通常のホイッスルでは、音が1種類だけ鳴りますが、人によっては聞こえにくい音というものがあります。
そのため、2種類の音が出せるものをおすすめします。
また、口にくわえるものなので、吹込み口がむき出しのものだと衛生面が悪くなり、新型コロナウイルスが蔓延していることもありますので、キャップ付きのホイッスルをおすすめします。
ヘルメット
・折りたたみ式のもの
・幼児期にサイズに合うもの
上で説明を致しましたが、以前までは頭を守る防災グッズといえば防災頭巾が一般的でした。
しかし、災害の時に固いものや重いものが衝突した際にはヘルメットほどの防御力はありません。
防砂頭巾のメリットであった持ち運びやすさをもったヘルメットも登場しています。
折りたたみ式の子供用ヘルメットを用意するようにしましょう。
軍手
幼児期の子供は、道に落ちてるものを何でも拾いがちです。
私も親に聞くと小さいころ石ころなどをよく拾っていたようです。
被災時には割れたガラスの破片や壊れた家具や建物の一部などとがったものが落ちており、とても危険です。
触らないように気を付けて見ることも大切ですが、怪我の予防のために軍手を用意しておきましょう。
おもちゃ、絵本
避難所は子供にとってとても退屈なものです。
気を紛らわせるために、おもちゃや小さな絵本があるととても便利です。
まとめ
それでは、今回の記事を振り返っていきましょう。
防災頭巾はいらない→折りたたみ式ヘルメットを用意
幼児用リュックはいらない→親の防災セット(リュック)に入れる
最低限必要な防災グッズ
防災ポーチ | 防災セット | 備蓄品 | |
---|---|---|---|
母子手帳、保険証 | 〇 | ||
保存水 | 水筒 | 〇 500mL×2本 | 〇 500mL×6~15本 |
非常食 | 〇 パンやお菓子 | 〇 3食分(1日分) | 〇 3~7日分 |
歯磨きシート | 〇 1パック | 〇 1パック | 〇 2パック |
簡易トイレ | 〇 5回分(1日分) | 〇 3~7日分 | |
ウェットティッシュ | 〇 1パック | 〇 1パック | 〇 2パック |
ハンドタオル | 〇 1枚 | 〇 3枚 | 〇 約10枚 |
着替え | 〇 1着 | 〇 3着 | 〇 9着~ |
マスク | 〇 1枚 | 〇 3枚 | 〇 1パック(20~30枚) |
ホイッスル | 〇 1個 | ||
ヘルメット | 〇 1個 | ||
軍手 | 〇 1組 | 〇 3組 | |
おもちゃ、絵本 | 〇 |
防災グッズは思い付いた時が、購入するタイミングです。
コロナウイルス感染症のときのように、災害時にはすぐに品薄、品切れ状態になります。
災害は急にやってきます。
日常からの備えを意識していきましょう。